ポリマーのようなネチョネチョしたものを主に扱ってましたが、たまにはですが固体添加剤とかプラスチックのチップと言った粉粒体なども扱ったりしてました。液体や気体とは違って、粉粒体はまた特別な取り扱いが必要で、なかなか大変だったように記憶しています。まあ、一方で面白い部分もありました。粉体機器は何とも複雑な構造だったりして、興味深いものが多いですね。
粉体関係だと乾燥とか集塵とか分級などが有りますが、今回は粉体貯槽について取り上げます。いわゆる、サイロですね。原料サイロだったり製品サイロだったりしますが、背の高い細長い槽でボトム部分はコニカル形状になっているものが多いですね。
計算式 粉体表面が水平
サイロと言えば、細長い直胴部とコニカル形状のボトム部分になっているのが一般的ですが、決めなければならないのは 内径D、直胴部 長さ L 及び コニカル部 長さ Lc です。
液体のように表面が水平となるのであれば、下図のように話は単純で必要な有効内容積 V[m3] が決まっていれば、式①で 内径 D [m] を求めます。ただし、式①は Dについて解くのは難しいので、EXCEL のソルバーでも使えば良いですね。で、サイロの天板まで満タンに詰め込む事は無いでしょうから、有効粉体層 高さ Lcy1 [m] を設定すれば、有効内容積 Ve [m3] となります。直胴部の高さが変わるだけですね。
計算式 安息角考慮
安息角
で、実際の粉体は「安息角」を有しています。粉体を水平面の上にザザーッとこぼすと普通はなだらかな山の様な形状に盛り上がりますね。ここで、稜線と水平面との角度が「安息角」となります。粉体の流動性の良し悪しを表わす指標ですが、比較的サラサラっとした粉体であれば安息角は小さく、モコモコした感じの粉体であれば安息角は大きくなります。
安息角の小さいサラサラした粉であれば、コニカル部の角度がそれほどキツくなくても排出されます。一方、安息角の大きな粉体であればコニカル部の角度を大きくしないと排出がうまく出来なくなります。
計算式
このような粉体特有の性質により、サイロ内において粉体層の上部に円錐形の山が出来ます。結果として、この山によってロス容積が生じます(下図のグレーの部分)。
計算結果
- 内径 Dと直胴部L 比率L/D 2.5 [ - ]
- コニカル部角度 70 [° ]
まとめ
補足
参考文献
- 「図解 粉体機器・装置の基礎」 工業調査会 2005年刊
- 「粉体技術ポケットブック」 工業調査会 1996年刊
コメント
コメントを投稿