身のまわりの化学工学 No.31 揚げ調理 Deep Frying

 今回は身のまわりの化学工学シリーズとして、「揚げ調理」について取り上げてみます。過去にも何回か調理に関する項目を取り上げていますね。No.4 と5 は 所謂 煮もの調理で 具材を水や出汁に投入して加熱する調理方法となります。No.6 は熱板による焼き調理に関する内容でしたが、ステーキの焼き方とかですね。No.21 は麺をお湯で茹でる際の熱の入り方について計算してみました。No.24 は放射加熱調理について取り上げましたが、韓国在住時に知った炭火による究極の焼肉マシンをご紹介しました。No.26 はゆで卵の作り方についてですが、温泉たまごとか半熟卵、固ゆで卵を作る際の温度分布を計算してみました。

No.4 調理における熱伝導と拡散
No.5 調理における熱伝導と拡散 その2
No.6 調理における熱伝導と拡散 その3
No.21 麺のゆで時間
No.24 放射加熱調理
No.26 ゆで卵の作り方

こうしてみると、調理ってのはものすご~く「伝熱現象」なんだな~と思いますね。因みに、野菜や肉を加熱して食べる所謂 調理がいつ頃から行なわれているのかですが、少なくとも 78万年前の地層から調理の痕跡が発見されたんだとか。また、180万年前に当時のヒト属の脳が大きくなったのは「加熱調理」をするようになり、栄養の摂取量が大きく増加した為なんだとか。ゴリラやチンパンジーは未加工品のものしか食べませんが、そのせいで体自体はそれなりに大きいですが脳の拡大はおきないって事らしいです。なので、「火の利用」も勿論重要ですが、「火を使った調理」ってのがより重要との事です。

それと、揚げ調理を何故 Deep Frying と言うのかですが、鍋に油をたっぷりと入れて加熱し そこに具材をドブンと深く沈めて調理するんで、Deep Frying って言うらしいです。一方、少量の油で調理するのは Pan Frying とか Shallow Frying となります。Shallow は「浅い」ですね。



※ 今回も Google Gemini に「天ぷら盛り合わせ」の画像を作成して貰いました。見ると 天つゆも有りますし、抹茶塩も有りますね~。で、個人的に好きな揚げ物は「玉ねぎのかき揚げ天ぷら」でしょうか。子供の頃に おふくろ がたまに作ってくれました。まあ、ジョボジョボっと醤油をぶっかけて食ってましたね~。



揚げ調理とは? What is deep-frying?


✓ 揚げもの  Fried Food


参考文献には 揚げ調理について以下のように記載されています。

揚げものは高温の油の中に食品を投じて短時間のうちに加熱を終える調理法で、急激な水分の蒸発によって食品をからりとさせると同時に 油を吸収させて特有の香味を加えるものである。加熱時間が短いためビタミン等の栄養成分の損失も殆どなく、その点でも優れた調理法だと言える

で、同じ揚げものでもいくつか種類がありますね。参考文献には以下のように分類されています。因みに、ほとんどすべての食品は油で揚げることが出来るとありますね。まあ、アイスクリームの天ぷらってのも有るくらいですから。

  • 素揚げ Deep-fry without batter
    食品をそのまま油に投入して揚げる方法。茄子、ピーマン等、食品の色や形を残す事が出来る。
  • から揚げ Deep-fry with flour or potato starch
    食品に片栗粉や小麦粉をまぶして揚げる方法。鶏肉や魚等に香ばしい風味をつける効果が有る。
  • 衣揚げ (天ぷら)  Deep-fry with batter
    小麦粉に卵・水を加えて作った衣を食品につけて揚げる方法。食品に揚げ衣のおいしさを加える事が出来る。
  • フライ  Fried Food
    食品にパン粉をつけて揚げる方法。揚げ衣の香ばしさと複雑な旨味を加える事が出来る。
  • 変わり揚げ   Deep-fry with special batter
    衣材料に変化をつけた揚げ方。春雨、道明寺粉、アーモンド、クラッカー等を用いて新しい風味を出すことが出来る。


バッター Batter と言う単語が出てきますけど、衣の生地の事でバッター液とも言いますね。また、から揚げはチキンだと唐揚げになるんでしょうか。その辺りは明確では無いようです。 唐揚げは小麦粉ですが、片栗粉だと竜田揚げになりますね。片栗粉は昔は植物の「カタクリ」からとったようですが、今はじゃがいもデンプンなんだとか。竜田揚げのあのサクサクとして食感は旨いですよね~。また、フライと言えば何と言ってもトンカツでしょうか。今はもう胃もたれするんでだいぶ遠ざかってますが、旨いですよね。余談ですが、トンカツの原型とも言えるシュニッツェルって料理をウィーンで食べたことが有りますけど、日本のトンカツとは違って平べったいんですね。出張で行ったんですけど、味は良く覚えてませんね。時差ボケでしたし疲れてたんで、ボーッとしてましたね。また、道明寺粉はもち米を水に浸した後に蒸し、乾燥させて粗く挽いた粉なんだそうです。とまあ、こんな感じで揚げ調理ってのはすご~く身近では有るんですね。

✓ 揚げ調理条件  Deep Frying Conditions


こんな感じでいろいろな揚げものが有るんですが、揚げ調理における操作条件を考えると「揚げ温度」と「揚げ時間」でしょうか。まあ、どんな油を使うのかってのも有るかと思いますけど。揚げ温度については、適温は 160 ~ 180 [℃] との事で、コロッケのように表面のパン粉だけをパリッとさせたい場合は 190 [℃] と高めにして、一方 ポテトチップスのように水分を十分に蒸発させたい場合には 130 [℃] とかに低めにしてじっくりと揚げる方が良いとされています。揚げ時間は 1~3分くらいが一般的で、揚げ温度が高ければ短く、一方揚げ温度が低ければ時間を長くするとの事です。当然と言えば当然ですが、揚げたい食品の状態を良く観察しながら温度と時間を調節しますよね。

一般に、肉や魚などのタンパク性食品は内部温度が70 [℃] 程度になるくらいで良いとの事ですけど、芋類などのデンプン性食品では内部が糊化する 98 [℃] くらいになるまで加熱する必要があるそうです。とまあ理屈ではそうなんですが、油を使った揚げ調理ってのは難しいですね、水で煮るのとは違って。参考文献にも有りますが、油の比熱は水よりも大幅に小さく、したがって熱し易いんですが冷め易くもありますね。更に、水は沸点が100[℃]と決まっていますが、油には無いですね。厄介なのは 200 [℃] 以上になると脂肪酸の一部が分解して揮発し始めますね。使っていくと劣化しますしね。

食用油メーカーさんのホームページには油の温度を簡単に見分ける方法が載ってますんで、ご紹介しておきます。菜箸を軽く水で濡らして布巾で拭き取り、エイッと油に突っ込みます。

  • 低温 150 ~ 160 [℃]  箸先から静かに細かい泡が出る
  • 中温 170 ~ 180 [℃]  箸全体から細かい泡が出る
  • 高温 180 ~ 190 [℃]  箸全体から勢いよく泡が出る

油の温度は水の沸点温度 100 [℃] よりも大幅に高いので、この箸から出てる泡ってのは菜箸表面に付着している水分が沸騰して水蒸気となった泡ですよね。このブログでも沸騰伝熱について取り上げましたが、温度差 10 ~ 30 [℃] もあれば激しく沸騰しますね。なんですが、油が低温だと静かに泡が出るだけってのは少し解せませんね、温度差は 50 [℃] もあるのに。菜箸は大抵 木製だと思うんで、表面には目には見えないような微細な凹凸が有りますね。そんな凹みの奥の方に存在する水分が沸騰するには、それなりの温度差が必要なんだろうな~とは思います。鍋に水をはってガスコンロにかけて加熱します。しばらくすると鍋底でプクっと気泡が発生し、大きくなると離脱して水中を上がってきます。この時、比較的 低い温度で気泡が発生する箇所も有りますし、もっと温度が高くなってから気泡が発生するようになる箇所もあります。また、より温度が高いほうが気泡発生箇所は明らかに多いですよね。それと同じ理屈なのかな~と。


揚げ調理における食品内部温度  Internal Temp. during Deep Frying


揚げ調理における利点の一つとして、「調理時間が短くて済む」と言うのが有りますね。高温の油に食品を投入しているんで、まあそれも当然かなと。で、その辺りの実験データを J-Stage で探しましたが それほどには多くは無いようです。熱電対をエイッと食品に挿し込んでドボンと投入すれば良いんでしょうけど、大変は大変ですよね。水だと沸点は 100 [℃] ですが、確実に火傷する温度です。それが、油の場合は 150 とか 180 [℃] になりますし。温度測定誤差ってのも気になりますね。それなりに細い温度センサーを使うにしても、熱の流入を完全に阻止するってのは出来ませんし・・・。なんですが、実験データも有るには有るんで、ご紹介しておきます。


✓ 実験条件  Conditions 

参考文献によると、サツマイモを 直径 35 [mm]、 厚み 10 [mm] の輪切りにして 180 [℃]の大豆油 1.4 [kg] に投入して揚げています。で、サツマイモをから揚げにしている場合と、衣を付けている場合で中心部温度を測定しています。衣ですが 小麦粉と水を混ぜたもので、小麦粉 1 に対して 水 1.7 の割合との事です。で、サツマイモを 6個投入して揚げますが、その内の1個には温度センサーが挿し込んであるって事みたいです。

そして、温度の上がり方は下図のとおりとなります。参考文献中のグラフから読み取ってみました。から揚げの方が温度の上がり方が急激ですね。一方、衣付きの場合はゆっくりと上昇しています。まあ、衣は熱抵抗になるんで こんな結果になるのは予想出来ます。それと、図中には 平板 一次元 非定常熱伝導の解析解による結果を併せてプロットしています。見ると、から揚げは 単に熱伝導だけによるものよりもだいぶ早く温度が上がっています。

この理由については参考文献では以下のように説明されています。即ち、サツマイモをドボンと油に投入すると水分の蒸散が進行し、そこに周囲の油が侵入するって事らしいですね。水分が蒸発するのであれば温度は下がりそうですが、そこに高温の油が入り込むので急激に温度が上昇するんですね。結果として、投入直後に急激な温度上昇が達成出来るんですね。なるほど、確かに調理時間は短くなりそうです。グラフには食べ頃となる経過時間を矢印で示していますけど、3分とかでOKとなるんですね。一方、衣が付いていると 食品自体の水分蒸散や温度上昇は大幅に阻害されるので、温度上昇もゆっくりとなります。結果として、食べ頃時間も遅めになってますね。

こうしてみると、揚げ調理ってのは 煮もの調理とはまた違って、熱移動に加えて 水と油の交換が同時に進行している非常に複雑な現象なのかなと思います。そして、更に衣が付いていると 衣の水分が蒸発しますんで 物質移動についても考慮する必要があるのかなと。




参考文献には、サイコロ状のカジキマグロを揚げた実験結果も有りました。サツマイモの場合と同様にから揚げの方が温度上昇が早くなっています。投入後 2分ほどで100 [℃] まで到達し、その後はほぼ横ばいとなります。参考文献によれば、2分以降では水分の蒸散が進行しているとの事です。そして、衣が付いている場合ですが温度上昇はだいぶゆっくりめです。やはり衣に含まれる水分の影響となります。なんですが、食べ頃時間はどっちもサツマイモよりもだいぶ早いです。これは、食材の違いによるもので さすがに生のサツマイモは硬くて食べられたものでは無いですけど、マグロ肉であれば生でも全然 問題は無いですし、外側はきちんと火がとおっていて、一方 真ん中のほうはレアってほうが食感に変化が有って美味しいですよね。それと、マグロについても平板の一次元非定常熱伝導の計算結果を併せて示していますけど、サツマイモと同じ様な結果でしょうか。代表長さを 20 [mm] としていますが、サツマイモの 10[mm] と比較すると大きいので、温度の上がりも遅いですね。まあ、実際はサイコロ形状なので六面体の全ての面から熱が流入するんで、ホントはもっと早いとは思いますけども。




揚げ調理における水分移動  Moisture Transfer during Deep-Frying


揚げ調理においては熱移動が需要なのは勿論なんですが、水分の移動と言うか挙動も重要なんだな~と言うのが 前述の結果などから分かります。特に、衣を付ける揚げ調理ではより複雑ですよね。なんですが、今回の投稿にあたって調べてみると、その水分移動について実に興味深い実験を行なっている文献を見つけました。2025年なんでつい最近ですね。で、なにがどうおもしろいかと言うと、なんと天ぷらの衣生地を作る際に重水 Heavy Water を使っているんですね、水分の移動挙動を把握する為に・・・。実験に重水を使っている文献を見たのはこれが初めてです。値段を調べてみると、500 mL でゆうに 20万円を超えるんだとか。実験に際しては学生さんもだいぶ緊張したのかなと推察します。

で、その文献ですが以下のものとなります。

「揚げ過程の視覚情報による天ぷらの品質評価の検討 -たんぱく質食品の場合-」
     食生活研究 第45巻 第1号 2025年

要約を更にエイッと要約すると、旨い天ぷらを作るには含まれる水分量を調節するのがすご~く重要で、そして水分の抜け具合は油の表面に上がってくる気泡の挙動を観察すれば分かりますよって事みたいです。まあ、単に食べて旨い天ぷらを作るんであれば、揚げ温度とか時間を変えて調理して食べてみて旨いかそうじゃないかを判断すれば良いですよね。ただ、それだと天ぷらの旨さと水分量との関係が不明となります。なので、水分量はもちろん水分の移動挙動までを実験的に把握してみようと言う事なのかなと。そして、重水で天ぷらの衣を作るに至ったのかなと。にしても、食べて害は無いんでしょうか。AI に聞いてみると、少量であれば問題は無いみたいですけど、大量に飲むと死に至るようです・・・。重水を構成する重水素だと酵素反応などに影響を与えるんだとか。因みに、重水は少し甘いんだとか。それでも飲みたくは無いですね。


✓ 天ぷら調理における水分減少  Moisture Reduction during Tempura Cooking


簡単に把握出来るのは、揚げ温度を一定とし揚げ時間を変えて天ぷらを取り出して重さを測れば良いですね。この文献で天ぷらにしているのはバナメイエビですが、実験中はさぞや良い匂いがしていたのかなと。揚げた天ぷらは全部食ったのかな~と思ったりしますけど。で、重量ですが天ぷら全体の重量と エビ単体の重量を測っているようです。天ぷらをエイッと取り出して軽く油を切って重量を測定し、次にエイッと衣を除去してエビを取り出して重量を測定すれば良いですね。

で、結果は以下のとおりです。揚げ調理ってのは水分を飛ばす事が重要と書いてある書籍なども有りますが、まさにそうなってますね。エビ自体の水分量も減ってますし、衣の水分量も減ってます。結果として、天ぷらの重量も減る事になります。




で、この水分量の減少が食感にどんな影響を与えるかについては、被験者にえび天を食べてもらって官能検査を実施しています。90・120・150秒の揚げ時間の天ぷらを使ってますが、エビについては好ましい硬さと好ましいみずみずしさが評価基準となっており、衣については好ましいサクサク感が評価基準となってます。結果として、90秒のスコアが最も高かったんですが、120秒でもほとんど同じなんだそうです。と言うことは、このえび天については揚げ時間 90 ~ 120秒としたものが最も旨いとなりますね。官能検査とは別にエビの硬さと衣の破断応力についても実測しています。プリプリのエビは旨いですが、あまりに硬いとアレですよね。衣についても適度なサクサク感は良いですけど、すご~く硬いと口の中の皮膚に刺さるような感じで不快ですよね・・・。 


✓ 天ぷら調理における水分挙動  Moisture Behavior during Tempura Cooking


次にいよいよ重水で作った衣を使用した天ぷらの出番です。エビと衣の水分量を軽水と重水とで測定した結果となります。因みに、分析はGC-MSで出来るみたいです。さてさて、まずは下図 上段はエビ中の軽水と重水の割合です。加熱ゼロでは油に投入する前なので加熱による水分移動は起こらないので、エビには重水は含まれませんね。ですが、加熱すると一定量の重水がエビ本体にも含まれているのが分かります。つまりは、衣の重水がエビに移動した、と言う事になります。また、下図下段は衣の軽水と重水の割合です。加熱前は重水が多いですが、加熱と共に大きく減少しています。これは、重水が衣から出ていった事になりますが、その一部はエビに移動し、残りは蒸発してしまったと考えられます。




で、天ぷら調理中の水分挙動を模式的に表わした図が参考文献に有るので、それにならって絵を描いてみました。エビに由来する水分、衣に由来する水分の移動がある訳ですが、前述のとおり天ぷら全体の水分量ってのは減少していますんで、衣表面で蒸発して油の中を水蒸気泡として上昇します。なので、この泡の出方を観察していれば その時の天ぷらの状態が分かりそうですよね。実際、参考文献では泡の出方を画像解析して定量化しています。んで、ここだっ! というところで天ぷらを取り上げれば 旨い天ぷらの出来上がりとなりますね。プロの調理人が揚げる天ぷらが何故旨いのかは、この辺りを長年の経験で掴んでいたと言う事になるんでしょうか。以前に聞いたことが有るのは音の変化でしょうか。天ぷらを油に投入すると、「ジュワ~」と盛大に音がしますが、そのうちに「チリチリ」とかになって来て音があまりしなくなります。で、この音は泡が弾ける音なんだとか。水分が良い感じに飛んでいって、あまり出てこなくなると揚げ頃って事になりますね。




※ この図ですが水分挙動をうまく表わしていると思いますが、少し腑に落ちない点が有るので多少改変させて頂いています。まあ、こちらの理解不足な感も否めませんけども。それと、ここまでやっているのであれば、鍋の上に吸引フードでも設置してコールドトラップで凝縮させれば 蒸発してきた水分量ってのもおさえる事は出来るのかなと思ったりもします、簡単では無いですけども。まあ、化工屋なのでどうしても収支を取りたくなりますね・・・。
 

まとめ  Wrap-Up


今回は身のまわりの化学工学シリーズでしたが、揚げ調理について取り上げてみました。揚げ物は美味しいですよね、パンチも有りますし。昔は揚げ物上等でガンガン食ってましたけど、40歳を過ぎた辺りからは胸やけや胃もたれが激しくなり 胃薬が手放せないような状態ですね~。まあ、単なる飲み過ぎと食べ過ぎなんだと思いますけども。んでも、韓国から日本に戻ってきて 暴飲暴食するような機会も無くなりましたし、体重もだいぶ減ったんですね。そうすると、胃の不調もそれほどでは無くなりましたね。まあ、ただ単に肥えていたって事になるのかなと。

そんな事はさておき、揚げ調理ってのをあらためて考えてみると 結構複雑な現象なんだな~と思います。熱移動・物質移動が並行して起こっていますし、水分と油の交換と言うか置換といった現象も有りますし。こちらについては二液相の流動とか濡れとかが影響していそうで、これまた複雑なのかなと思います。とは言え、こんな食材をこんな油を使って、これくらいの温度で何秒 揚げれば美味しい天ぷらが出来ますよってのは分かりますね、理屈はともかくとして。

余談ですが、家庭でする揚げ調理ってのも有りますが、業務用の更に規模の大きな揚げ調理については専用の装置が有りますね。フライヤーとか言うもので、金網製のベルトコンベアみたいなのにお皿が配置されていて、そこにバッター液と具材を投入します。そうすると、具材が油の中をくぐって来る間に良い感じに揚げられていると言う寸法になります。具材が浮かんでこないように抑える機構が付いていたり、自動カス取り装置があったりします。給食センターとか食品工場での需要が有るんですね。 装置自体はそこまで大きくは無いんですね。これも揚げ調理では具材の温度上昇が早いという利点に起因するんだな~と思います。

参考書籍・文献   References


  1. 「揚げ物の内部温度について」
       聖徳栄養短期大学紀要 第3号 1971年3月
  2. 「揚げ過程の視覚情報による天ぷらの品質評価の検討 -たんぱく質食品の場合-」
       食生活研究 第45巻 第1号 2025年
  3. 「揚げもの」
       調理科学 第27巻 第4号 1994年
  4. 「基礎式から学ぶ化学工学」 化学同人 2017年刊










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