今回は蒸発操作について取り上げます。参考書籍によれば、「 不揮発性溶質を含有する溶液から揮発性溶媒を気化分離させ、溶液を濃縮する単位操作 」と有りますね。一般的に工業プロセスでは発生蒸気よりも濃縮液に価値が有りますね。苛性ソーダを濃縮するのであれば、その濃縮液が重要です。なんですが、例えば 蒸発式海水淡水化法では蒸発してきた蒸気の方に価値が有りますね。まあ、最近は蒸発式では無くて逆浸透膜 (RO膜) によるプロセスが多いんだと思いますけど。 この蒸発操作ですが、対象が水溶液ってのが一般的でしょうか。適用例としては、上記の海水淡水化、化学製品や廃液の濃縮が挙げられますが、もう一つ 食品加工における濃縮ジュースの製造にも適用されています。「濃縮還元」果汁とか言われますが、これは蒸発操作によって一旦 果汁を濃縮します。そして、この濃縮液をどっかに運搬したり貯蔵したりします。んで、その後 加水して元の濃度にして製品とするって感じでしょうか。濃縮する事で容積が減るので運搬するのも貯蔵するのもコストが削減出来ますね。果汁を近場ですぐに消費するのであれば、濃縮する必要は無いですよね。これは「ストレート」果汁となりますね。「濃縮還元」果汁が一般的になったのは 1970年代との事ですから、私が小学生の頃でしょうか。あの「ポンジュース」はこのタイプとの事です。 実務でも蒸発操作ってのは何回かやった事は有りますね。まあ、ケミカルプラントなので水溶液では無くて有機溶媒を蒸発させるプロセスでしたけども。加熱源はジャケットにスチームを供給してましたけど、内液との温度差を大きくする為に減圧してましたね。蒸発槽はインペラで撹拌してましたね。で、蒸発してきたベーパーをコンデンサーで凝縮回収しますけど、伝熱面積が足りるとか足りないとか、冷却水の温度とか流量がこれくらいとか検討しましたね。
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