今回は実在気体の管内流動について取り上げます。実在気体なので粘性を有していますが、その気体が配管内を流動する際の圧力損失を計算してみます。で、気体の圧力損失計算において何が問題かと言うと、「圧縮性」Compressibility を有している点となります。仮に温度一定としても 圧力が変化すれば気体の体積は大きく変化します。一方、液体の場合 圧力が変化しても そこまで大きく体積が変化する事は無いです。なので、普通は 「非圧縮性」流体として取り扱う事が出来ます。例えば、水とか油を配管で移送する場合 配管内径と体積流量に加えて 粘度、密度値が分かればファニングの式を使ってエイッと圧力損失が求められます。 なんですが、気体の場合は少し状況が違います。入口の圧力と平均流速が与えられるとして、配管内を気体が流れていくと 粘性によって圧力損失が発生します。そうすると、気体の圧力は低下しますが その結果として気体体積が膨張して増加します。つまり、流量が増加するので流速も増加する事になり 圧力損失も増加します。となると、更に気体圧力が低下して更に気体体積も増加する、と言う事が繰り返されます。結果的に、気体圧力は急激に増加しますし、流速は急激に増加します。まあ、状況として好ましくは無いですよね。 実務ではさすがにやった事は無いですね~。やってたのがポリマープラント絡みの設計とか技術検討なんで、気体流れとしては 反応器からのベーパー流れとか、脱モノマー装置からのベーパー流れとか。あとは真空系配管の圧力損失とかでしょうか。まあ、そもそも気体移送用の圧力の高いそして長い配管が無いんですね。
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